電子契約書作成においてバックデートによる作成は可能なの?
近年ではITの発展により、電子契約書の作成が増えています。クラウド上で作成できるため、時間や紙など物資の削減・軽減ができ、業務上の効率化ができるため、様々なメリットがあります。そんな電子契約書ですが、作成する上で様々な疑問があるでしょう。今回は電子契約書を作成する上で、バックデートが可能なのかを紹介します。
電子契約書におけるバックデートとは
電子契約書を作成する上で、バックデートという言葉を聞いたことがあるかと思います。しかし、どのような意味なのかを知らない人も多いでしょう。これから、バックデートについて詳しく紹介します。
前の日付に設定する
電子契約書において、作成日よりも前の日付を設定することをいいます。例えば、電子契約書を作成したのが、2020年1月1日としましょう。この場合は、普通ならば契約書内に記載する日付も2020年1月1日となります。しかし、何らかの事情で2020年1月1日よりも前の日付を設定することがあり、これをバックデートと言います。それでは、何らかの事情とはどのような問題なのでしょう。また、どのような時にバックデートが使われるのでしょう。
〇契約期間と契約書作成日が乖離することがある
乖離するとはどのような意味なのでしょう。これは、契約書の作成を行なった日付よりも前の日付を記載することです。わかりやすくいうと、例えば、契約を結んだ日が、契約書を作成する1週間前の場合、結んだ日の日付にすることです。
〇作成日より前に契約期間の開始日になる
しかし、契約を結んだ日が必ずしも契約の開始日になるわけではありません。これは、どのような意味かというと、契約を結んだ日が必ずしも実行された日ではないからです。この場合、契約書に設定する日付がいつなのか分からないですよね。
契約書に設定する日付は、契約期間の開始日です。実際に契約したことが行われ始めた、契約を開始する日の日付を記載するのが一般的です。もし、契約期間の開始日が契約書の作成よりも前だった場合、バックデートになります。
バックデートで電子契約書を作成しても良いのか?
これから、電子契約の作成において、日付を作成日よりも前に変更してよいかを紹介します。
契約締結日とずれても問題はないので可能
契約の締結を行った日や作成をした日の日付とずれても特に問題がありません。そのため、電子契約書を作成する日の日付でなくても構わないです。それだけでなく、契約を結んだ日の日付でなくても特に問題はありません。その時の状況に応じて、必要な日付を設定すれば良いでしょう。
このように、電子契約書におけるバックデートの設定は可能です。何らかの事情で変更する必要があれば、作成をした日でなくても特に問題はありません。しかし、特に事情もなく、日付の変更が必要ない場合は、基本的に作成した日の日付を設定するのが一般的です。必要がない場合も変更してしまうと、後でトラブルが起きることもありますし、変にややこしくなってしまいます。
〇基本契約の末尾にバックデートした事を記載する
バックデートにする際には、契約書の末尾にその趣旨を記載しておく必要があります。何も記載がないまま日付を変更してしまうと、本来の内容と異なることになってしまい、それが原因でトラブルになってしまう可能性あります。そのため、契約書の末尾に、いつの日付を設定しているのかを必ず書いておくようにしましょう。それに加え、契約書を作成した日の日付も書いておき、作成するよりもどれぐらい前なのかが分かるようにしてください。
遡及効を持たせることも可能
今まで契約なしに行われていた業務について改ためて契約を結びたい時もあるでしょう。また、契約を結ぶのが遅れてしまったまま、取引のみが先行してしまう時もあります。このような場合は、契約書の効力を取引が開始された日付に設定したいでしょう。そこで、契約書の契約の内容を過去に遡って適用する遡及適用ができます。これから、どのように適用されるのかを説明します。
〇契約の効力に関する条項に記載する
契約書の条項において、遡及適用したことを記載しなければなりません。また、日付を変更した際には、契約書において変更したことを記載する必要があります。書き方は簡単で、作成をした日に関係なく、何年何月何日から契約が行われているということを記載すれば良いです。また、このように日付を改めて設定する際には、両者の合意が必要ですので、必ず合意した上で行いましょう。
必要であればバックデートは可能
電子契約書において、必要がある場合には、契約書に記載することでバックデートは可能です。しかし、必要がない場合は、万が一のトラブルを避けるためにも、日付を変更しない方が良いでしょう。今回は電子契約におけるバックデートについて紹介したので、ぜひ参考にしてください。