新型コロナウィルスの感染拡大により、テレワークが推進されている今、電子契約書の導入に関して注目が高まっています。
今回の新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、新たな働き方が定着する可能性があり、その中で電子契約書は大きな効果を発揮するツールであるといえるのです。
今回はそんな電子契約書について解説いたします。

新型コロナウィルスの流行がもたらした問題

テレワークの推進

新型コロナウィルスの流行により緊急事態宣言が全国に発令され、外出自粛や休業要請などの措置が取られました。そんな中で、出社をせずに業務を行うテレワークが推進されました。
新型コロナウィルス流行前から、ワークライフバランスの実現や労働力の確保などの観点からテレワークが推進されていましたが、その動きを加速させる結果になったといえます。

ハンコを押すために出社?

新型コロナウィルス感染防止策としてテレワークを導入したのはよいものの、契約書にハンコを押すために、結局は感染のリスクを冒して出社しなければならないといった事態が問題視されるようにもなりました。テレワークが導入されることで、こうしたこれまでの業務内容を見直す必要があることが浮き彫りになったのです。

IT担当大臣の発言

こうした中で、竹本直一IT政策担当大臣が、テレワークと日本のハンコ文化について会見で述べた発言が物議を醸しました。
というのも、「役所の届け出などについては電子化が進んでおり、ハンコ文化の省略が進んでいないのは民間企業同士の取引のケースが多い」といった内容の発言だったためです。
この発言により、はんこ議連の会長も務めている竹本大臣への批判の声が集まると共に、IT企業などの経営者からの反応も相次ぎました。

電子契約書に関する疑問

上記のようなテレワーク下の問題については、電子契約書を使用することで解決できるため、電子契約サービスに大きな注目が集まり、一気に需要が高まるようになりました。
しかし、電子契約書と紙の契約書の証明力については大きな議論はされていません。
ここでは、二つの契約書がどのように違うのかについてご紹介いたします。

法律とハンコ

これまで紙の契約書には必ず用いられてきたハンコですが、法的には契約の成立に関して「ハンコ」についての記載はありません。本来、双方の合意さえあれば契約は成立するため、必ずしもハンコを使う必要はないのです。このことについては意外と多くの方が知らないのではないかと思います。「ハンコを押さなければいけない」といった風習がいつの間にか決まりごとのように慣習化してしまっているといえるのです。

本当に安心?

では電子契約書は本当に安心できるツールなのでしょうか。
紙の契約書ではハンコとサインによって書類作成者の証明を行っていましたが、電子契約書の場合はその証明を電子署名とタイムスタンプによって行います。電子署名とタイムスタンプの組み合わせにより、付与後の改ざんは一切できない仕組みになっています。そのため書類の法的証明力が高く、安心して使うことのできるツールであると言えます。

契約の電子化に必要なこと

業務フローの見直し

契約業務を電子化するにあたって、まず業務フローを見直す必要があります。
これまでの契約業務では誰がどのように業務を行っていたかを明確にし、電子化にあたってどのようなことが必要なのかを考える必要があります。部署などをまたいでプロセスを変更する場合など、業務フローを見直すことで、電子契約サービスを導入した際により効率的に契約業務を行うことができるようになります。

紙と電子化の区分け

契約業務の電子化のためには、電子化できる契約と紙が必要な契約の区分けをしっかり行うことが重要です。取引先の業務体系によっては契約を電子化することが難しい場合もあり得ますし、そもそも紙の契約書でなければ契約できないものもあります。しっかりと区分けして、業務内容を効率化させる必要があります。

システムへの理解

電子契約サービスを導入するにあたって、社内に対しシステム導入への理解度を高めておく必要があります。システムの理解度が低いと、社内に電子契約システムが浸透せず、導入したのは良いけどあまり業務が効率化されなかったなどという事も考えられます。システムについてしっかりと理解できるよう社内環境を整えましょう。

まとめ

ハンコを押さなければならない紙の契約書という観点から、紙の契約書へのハンコの必要性についてなどについてご紹介いたしました。
新型コロナウィルスの流行によりテレワークが推進され、電子契約書の需要と注目が高まっています。電子契約書を導入することで、これまで以上に契約業務を効率化させることが可能になります。
導入をお考えの際は、注意点や必要なことについてしっかりと確認しておきましょう。

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