クラウドはデータセンターにあるサーバーにアクセスして利用するサービスです。
クラウドサービスを利用している企業のなかには、海外のデータセンターにあるサーバーを利用しているというところもあるかと思います。
海外のデータセンターにあるクラウドは、国内のデータセンターのクラウドとどのように違うのでしょうか。
今回は海外にデータセンターがあるクラウドのメリットやデメリットについて紹介いたします。

海外データセンターとは?

海外データセンターと国内データセンターでは特徴が異なります。
海外データセンターがどのようなものなのかについて紹介いたします。

海外データセンターとは

データセンターとは、サーバーなどのIT関連装置を設置、運用するために提供される安全性の高い遠隔地の施設のことです。国内ではなく海外にあるものを海外データセンターといいます。
海外データセンターは国内にあるデータセンターと同じように、大容量の蓄電池や自家発電装置、安定した通信回線、サーバーの監視や故障対応のほか、バックアップやアップデートなどの運用サービスなど基本的なクラウド環境を構築しています。

海外データセンターの特徴

海外のデータセンターには、国内のデータセンターを利用する場合と異なるメリットとデメリットがあります。
海外のデータセンターの利用を検討する前に、特徴をしっかりと理解し、自社のビジネス形態に添った利用が可能かどうか、有用な効果が得られるのかどうかなど費用とリスクのバランスを考えて判断し、選択することが非常に重要です。

海外データセンターのメリット

国内のデータセンターと比べた場合、海外のデータセンターにはどのようなメリットがあるのかについて解説いたします。

コスト削減

海外のデータセンターの大きなメリットとして、コストの低さが挙げられます。
国や地域によっては日本よりも人件費や土地代、電気料金が安く、低い料金で利用することができます。また、海外のデータセンターは国内のデータセンターに比べて、利用できるストレージの容量が無制限である場合も多く、低いコストで充実したクラウド環境を整えることができます。

自然災害が少ない

日本は地震や台風などの自然災害が多い国です。自然災害による被害を最小限に抑えるためには地盤や建物の補強など様々な対策をとらなければなりません。ですが、安全性を強化させるとその分利用料が高くなってしまいます。
海外には日本よりも自然災害が少ない国があるので、そのような国のデータセンターを利用することで、自然災害のリスクを格段に減らすことが可能になります。

海外データセンターのデメリット

国内のデータセンターと比べた場合、海外データセンターにはどのようなデメリットがあるのかについて解説いたします。

セキュリティの不安

海外のデータセンターのなかには人件費や土地代が安い反面IT技術が日本よりも発展しておらず、セキュリティ対策が甘いものもあります。
また、治安が悪く物理的な犯罪に対しての不安も存在します。品質の高いセキュリティ対策を講じているサービスをしっかりと選ぶ必要があります。

電力供給が不安定

海外のデータセンターは日本に比べて電力供給が不安定な場合があります。
国によってはインフラが発展途上の最中にあり、データセンターのクラウドを利用する上で電力面に不安が生じる場合もあります。
そのため、海外のデータセンターを利用する場合は、電力供給の状況についても良く確認しておく必要があります。

法律の違い

日本と海外は法律が異なるため、データの扱いに対しても気を付ける必要があります。海外にあるデータセンターのクラウドを利用する前に、サーバーが設置されている国はデータに関してどのような法律が設けられているのかを確認しておきましょう。

日本からのアクセスに時間がかかる

サーバーと物理的な距離があると、どうしてもアクセスに時間がかかってしまう場合があります。タイムラグは国内ユーザー向けのサービスを取り扱う場合はデメリットとなってしまうため、データ共有などをメインに利用する場合は特に注意が必要です。

日本語でのサポートがない場合も

海外データセンターを運営している企業のなかには、日本語でのサポートやマニュアルを用意していないところもあります。英語圏であれば何とかなるかもしれませんが、他の言語であればトラブルの解消に時間がかかってしまい厄介です。
トラブルが発生した際、このように思うように意思疎通ができない可能性があるほか、時差の問題でサポートが受けられないケースも起こりうるので注意が必要です。

まとめ

海外データセンターは、サーバーが海外に設置されているため、国内のデータセンターを利用する場合とは異なるメリットとデメリットが存在します。
利用を検討する際には、自社のビジネス形態に添えるものであるかどうかは勿論、費用やリスクについてもしっかりと考える必要があります。

電子契約書の記事